
古代ギリシャ時代に、ある俳優がいました。
ある日突然、聾になってしまい言葉を失ってしまったその俳優は、
身振り手振りで芝居するコメディースタイルを編み出しました。
それが「パントマイム」の原型になったと言われています。

実際にこの時代に聾になってしまう事例は多かったらしい。
当時のワインに含めていたZn(亜鉛)の大量過剰摂取によるものが、
その理由だったとか。

ギリシャ語「パントス」には「あらゆるもの」という意味があり、
「マイム」はギリシャ語「ミモス」が変形した言葉で、
「模倣」という意味があります。
ちなみにラテン語源のスペイン語では「ミーモ」。
やはり「模倣」という意味の言葉です。
また、例えばダンスというジャンルの括りの中に多種多様なダンスがあるように、
パントマイムは「マイム」というジャンルの括りに含まれています。
白いフェイスメイクアップをして大袈裟な身振りで驚いて見せたり、
無いものを、さもあるように見せたりする表現は、
あくまでも「マイム」の一種であり、それがマイムの全てではありません。

その後、ローマ帝国の反映とともに
パントマイムという表現はヨーロッパ全体に広まりました。
やがてイタリアでコメディアデラルテ(即興仮面喜劇)の人気に火がつくと
無言劇やマイムが一大ブームを起こします。
また、その後フランスなどで、テレビなどがなかった時代、
市民は普段からワインなどで酔っぱらい、
日々娯楽を求めて見世物小屋に足を運びます。
見せ物小屋で起こっているショーは、
サーカス、動物をつかったショー、お芝居や、コンサートなどと様々であり、
その中でも特にお芝居などの上演は、
ごったがえす酔っぱらった観客の野次、
観客同士の喧嘩や、隣の席の人とのお喋りなどで、
喧噪のなかとてもじゃないけど舞台から発する役者の台詞など
聞き取れる環境ではなかったといいます。
そのため言葉を使わずに、表現する役者が求められたといったということです。
と、だいたいこういった歴史があります。

現在になりパントマイム界の巨匠と呼ばれる、
数々の偉人によって、パントマイムをただの「模倣」の表現から、
より詩的な表現を目指すようになりました。
今では身体のコトバや、心のコトバを表現する芸術へと昇華されています。
時代や、表現者によって、移り変わる「パントマイム」という表現なのです。
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